〔COLUMN〕アトピー性皮膚炎の特徴、正しいケア方法とは?

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8db2c19aa2cce74a1cc2a790f34c9b59_s[1]年々患者数が増え、“現代病”になりつつある「アトピー性皮膚炎」。
気候が寒くなるにつれ、症状の悪化を不安に思う人も多いでしょう。

そうならないためにも、原因や治療法、日常でできるアトピーケアをしっかりと把握しておきましょう。

アトピー性皮膚炎とは

主に、アトピー素因という生まれつきの体質を持つ人にできる、かゆみを伴った湿疹を「アトピー性皮膚炎」といいます。
遺伝傾向があり、もともとアレルギーを起こしやすい人や、皮膚のバリア機能が弱い人に多く見られる皮膚疾患のひとつ。

また、良くなったり悪くなったり(再発)を繰り返し、なかなか治らない(慢性)のが特徴。
皮脂の分泌量が極端に少なく、角質層の水分を保つ力が弱い状態なので、バリア機能が低下し、外的刺激にとても弱くなっています。

アトピーの湿疹の特徴

アトピー性皮膚炎の湿疹には、以下の特徴が見られます。

・赤みがある。
・ジュクジュクしいてて、引っ掻くと液体が出てくる。
・皮がむける。
・長引くとゴワゴワに硬くなって盛り上がってくる。
・おでこ、目のまわり、口のまわり、耳のまわり、首、わき、手足の関節の内側などに出やすい。

 

アトピー性皮膚炎が起こる原因

アトピー性皮膚炎は、主に遺伝による体質のため起こると言われていますが、未だはっきりとした原因は分かっていません。

それは、遺伝に限らず、不規則な生活スタイル、ダニ・ハウスダストなどの環境因子、かきむしったりなどの物理的刺激などなど・・人によって原因は様々だからです。

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そもそも炎症も、体外から侵入してきた敵と戦い退治する免疫反応によって起こるので、身を守るためには必要不可欠なこと。

しかし、アトピー性皮膚炎になると、この免疫が過剰に反応し、退治する必要のないものにまで不必要に炎症が起きてしまうのです。

 

皮膚の炎症が続くと、かゆみが持続→引っかいてしまう→炎症がさらに悪化→バリア機能も低下していきます。

この悪循環を食い止めるためにも、できるだけ早く炎症を抑えること、そして、正しいスキンケアを行うことが症状をコントロールするポイントとなります。

 

アトピー性皮膚炎の治療法

現代の医学では、アトピー性皮膚炎の体質を根本から変えて、湿疹を出なくするという治療は不可能と言われ、発生してしまった湿疹を薬で抑えるという対症療法を行うことになります。

そのため、皮膚科を受診すると、飲み薬(抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬)や塗り薬(ステロイド薬)を処方されることが多いようです。

 

飲み薬は、かゆみ止めの効果があり、塗り薬は湿疹を直接改善する作用があります。

その時の症状に合わせた適切な薬を選び、長期間治療を続けていくことで、ほとんどの人は日常生活に支障のない程度に症状をコントロールできると言われています。
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ステロイドとは

腎臓の上部にある副腎という臓器の外側の部分、皮質といわれるところで作られるホルモンを「ステロイド」と言い、このホルモンのうち、「糖質コルチコイド」という成分を化学合成したものを「ステロイド剤(※)」と言います。
※この記事ではステロイド剤=ステロイドと示します。

 

ステロイドは、炎症を鎮めて免疫反応を抑制する作用があり、アトピー性皮膚炎に有効な治療薬。
ですが、ここ何年かで「強い、怖い、なるべく塗りたくない」という考えをもつ人が増えました。

確かに、ステロイド外用薬には局所的(薬を塗った箇所に現れる)副作用や全身的(塗った箇所から吸収されて全身に回ることにより起こる)副作用があり、効果が高い反面、副作用も強くなってしまいます。

だからと言って自己判断で使用を中止したり塗布量を加減してしまうと、思うような効果が現れず治療が長引いてしまう恐れも・・。

 

ステロイドは正しく使えば大変有用な薬です。
十分な効果をあげながら副作用は最小にするために、皮膚科医の指導通りに塗布することが大切です。

 

アトピー性皮膚炎改善のための
スキンケア・生活習慣

アトピー性皮膚炎はもちろん、敏感肌や乾燥肌など皮膚が傷んだ状態のときには、以下のような肌をいたわるスキンケア、生活習慣を意識しましょう。

・皮膚や血行にいいビタミン(ビタミンA・B1・B2・B12・C・D・E)を摂る。
・バランスのよい食事を摂る。
・十分な睡眠をとる。
・ストレスを溜めないよう心掛ける。
・衣類は、綿など刺激の少ないものを選ぶ。
・悪化の原因となるダニ・ホコリ・カビ対策をし、住環境を整える。

 

効果的な入浴法

かゆくて掻きむしった肌にお湯が染みたり、ピリピリするという理由から、入浴が億劫になる人も多いでしょう。
しかし、ステロイドには前に塗った分の油分が残っていると新しく塗った分の効果が出にくいという特性があります。

また、アトピー性皮膚炎の原因でもある皮膚の上での「黄色ブドウ球菌」の増殖を抑制するためにも、身体を清潔を保つことが重要です。

以下の入浴方法を心掛け、症状を少しでも和らげましょう。

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・お湯の設定温度に注意。
高温のお湯は肌への刺激となり、かゆみや炎症が悪化する原因となる場合があります。

・入浴時間は10分前後。
肌をやわらかくし汚れが落ちやすくなると、石けんやシャンプーの使用量を最小限に抑えられます。
また、お湯に浸かってリラックスすると自律神経が整うため、アレルギー反応の抑制に効果的です。

・入浴剤や石鹸は合うものを選ぶ。
無添加や◯◯不使用といった敏感肌向け・アトピー向けの製品を使うようにしましょう。

・洗い方に注意。
よく泡立て、まずは炎症の強い部分やステロイドを塗った部分からそっと泡を置くように洗います。決してゴシゴシこすらないこと。洗い終わったら泡が残らないように、しっかりすすぎましょう。

また、体を拭くときは、ナイロン製のタオルは使わず、綿のやわらかいものを使うと肌への負担も少なく済みます。

入浴は1日の疲れをとるリラックスタイムです。上の方法でケアしつつ、しっかり身体も休めましょう。

まとめ

アトピー性皮膚炎と上手く付き合っていくためには、早期改善を目標とするのではなく、症状を上手にコントロールし、日常生活に差し支えない状態を維持することが重要です。

また、症状が現れたら早めに医師や専門家に相談すること。説明や治療が信用できる皮膚科専門医と出会うことが重要です。

日頃のケアで症状が悪化しそうな原因を取り除き、肌にも心にも負担の掛からない日常を送りたいですね。