国産オーガニックコスメの先駆者とも言える「HANAオーガニック」。 緑いっぱいの素敵なオフィスでした。 インタビューさせていただいたのは、HANAのオーガニック代表・ホリスティック美容家の林田七恵さん。 林田さん×リアルコスメ編集長のリアルなインタビュー内容を、記事にしていきます。 |
―第一話、「〔ブランドインタビュー 〕HANAオーガニック 第一話:国産オーガニックコスメができるまで」では、林田さんがオーガニックコスメを作ろうと思ったきっかけから、実際に開発に着手された時のまでのストーリーをお話しいただきました。
第二話では、HANAにオーガニックの核とも言える、ブルガリア産の「ダマスクローズ」について教えていただきます。
そして出会った、ブルガリアの「ダマスクローズ」。
リアルコスメ編集長:
そのときに出会ったのが、ムーンナイトミルクの「ローズ」でしょうか?
林田さん:
そうですね。『エニオボンチェフ社』さんという、ブルガリアの。
本当に、ブルガリアの山脈の森の中に百年続く畑があって、ジプシーの方々が朝、全部手で摘むんです。
リアルコスメ編集長:
このローズは、ブルガリアの現地でも化粧品に使われているんですか?
林田さん:
使われていますね。
フィリップさんという3代目の社長さんなんですけれども。ちょうど同い年だったんです。工場にも視察に行って、蒸留も古くからある釜で。
原料の良しあしで全てが決まる、オーガニックコスメ。
リアルコスメ編集長:
蒸留も同じところで?
林田さん:
そうです。
ローズって、オーガニックコスメでは多くのブランドさんで使われているので、本当に種類もいっぱいあるんですけれども。全体のローズの8割以上が、ブルガリアで作られているんですよね。
そのブルガリアの中でも、オーガニックのものってまた少なくて。さらに、畑を限定して採るということはなかなかできないんです。
結局オーガニックコスメって、ケミカルと違って、原料の良しあしで全てが決まるんです。
オリーブオイルが300円から3,000円まであるじゃないですか。あれと一緒。搾り方と実の選定の仕方と、それから原産地がどこか、で全部成分が変わるんです。
だから、「ローズだけはここから採ろう!」と決めて。
エニオボンチェフ社のローズウォーターの特徴
1ミリ1万円のローズオイル
林田さん:
ローズってお鍋にバラの花をわーっと入れるんです。そして、それを蒸すんです。
蒸すと湯気が出てきて、それを冷やして出てきたのが『ローズウォーター』。
その上に、香りの精油(アロマオイル)が本当うっすらと、黄色くたまるんです。
ローズオイルは、これがなんと1ミリ1万円・・・!
ブルガリアでのローズ収穫は、1年の中でも6月の最初の週しかできなくて、たった1週間なんです。
そこから、7月に蒸留するでしょう。
そのときは盗まれないように、監視カメラが付いているところで、ボディーガードまで配備されるんですよ。
なんと、希少価値の高いローズオイルが、そのままローズウォーターの中に。
林田さん:
そのオイルを全部取ってから、残ったものが『ローズウォーター』なんです。
ところが、このエニオボンチェフ社さんはオイルを取らずに全部混ぜたままくれるんです。
リアルコスメ編集長:
オイルを取らずに?HANAのローズウォーターに、オイルも入っているということですか?
林田さん:
取らずに混ぜたまま。精油が入っているということなんです。
普通は、一番高いものだから、そのオイルを売ってから残りのローズウォーターをわける、という流れなのに、それを取らないでいてくれる。
なので、うちの化粧品は、一般的なローズウォーターよりも大体4~5倍の『ローズオイル』が入っているんです。
リアルコスメ編集長:
そうなんですね!
他の日本のオーガニックブランドさんでも『ローズウォーター』って使われているところがあると思うんですが、精油が入っていないところが多いのでしょうか?
林田さん:
一般的に出回っているものは、ローズオイルを取った後のものを『ローズウォーター』と呼んでいます。
『アヴェダ』さんって知っていますか?アヴェダさんも、実はローズは、このエニオボンチェフ社のものを使っているんです。
リアルコスメ編集長:
アヴェダのヘアケア商品大好きです!一緒のものなんですか?
林田さん:
そう。アヴェダさんが使う量が多いから、多分、オーガニック業界ではアヴェダとうちぐらいしか扱えていないかもしれないです。(笑)
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