国産オーガニックコスメの先駆者とも言える「HANAオーガニック」。 緑いっぱいの素敵なオフィスでした。 インタビューさせていただいたのは、HANAのオーガニック代表・ホリスティック美容家の林田七恵さん。 林田さん×リアルコスメ編集長のリアルなインタビュー内容を、記事にしていきます。 |
第一話では、そもそもなぜ林田さんがオーガニックコスメを作ろうと思ったのか、そのきっかけについて尋ねてみました。
※透明感:うるおいによる
※くすみ:乾燥による肌印象
※エイジングケア:年齢応じたケア
※シワ改善:シワ改善有効成分による
HANAオーガニック創設者 林田七恵さんが、オーガニックコスメを作ったきっかけとは・・・
―1998年から約10年間は、別のメーカーで無添加化粧品を作っていたという林田さん。
その頃からスキンケアに対して、「汚れを落とすこと、紫外線から守ることは、肌は自分でできないから意味がある」「酸化を防いであげると、老化を遅らせることができる」という考えをお持ちだったそうです。
オーガニックに初めて触れたのは、2000年頃
林田さん:
2000年ぐらいからかな。ちょうど自分がオーガニックが好きで、いろいろ海外から収集しだして。
それで、当時の(化粧品メーカーの)社長に「オーガニック化粧品を作ってほしい」と言われたんですが、日本のメーカーさんって、どこもレシピを持っていないんです。
リアルコスメ編集長:
一般的な化粧品とは、レシピが違うということでしょうか?
林田さん:
そうなんです。オーガニック化粧品は、石油由来成分を使っちゃいけないんです。
だからオーガニックでは、有効成分というよりは、『基材』といわれているベースそのものが作れないのです。
例えば、乳化剤はオーガニックのものがない。それから防腐剤も。油と水とベースとなるところ(基材)に石油を使わないことには、日本には原料がなくて・・・。
2007年、世界最大規模のオーガニック認証機関『エコサート』が日本にも
林田さん:
2007年かな。『エコサート(国際的な第一級の有機認定マークのひとつ)』が日本にやってきたんですよね。
初めて日本でオーガニックが作れるようになって、そこから研究が始まったんです。
リアルコスメ編集長:
なるほど!それまでは日本のオーガニックブランドはなかったのですね。
林田さん:
国産はありませんでした。
それまで働いていた化粧品メーカーを退職!
一からオーガニックブランドを立ち上げることに。
―2007年から、日本国内でもオーガニック化粧品の研究・開発が可能になり、それと同時に、前職の化粧品メーカーを退職した林田さん。
オーガニック化粧品を作るべく新たな第一歩を踏み出しました。
リアルコスメ編集長:
それくらい、オーガニックに魅力を感じられたということでしょうか?
林田さん:
そうなんです。私自身も肌が自分が弱くて。10歳のときから顔面の全部がニキビで、白い本当に湿疹みたいなニキビができたんです。
薬をずっと使っていて、皮膚科に行くと治るんですけれども、その薬が強かったから二十歳ぐらいにはシミがあったんです・・・。
無添加化粧品を使うようになってから少し良くなって。オーガニックコスメを使いだしたら、もっと肌が元気になっていって!
リアルコスメ編集長:
その頃は、海外のオーガニックコスメですよね。林田さんがお気に入りだったブランドはありますか?
林田さん:
『フローラム』というブランドがあって、フランスのブランドなんですけれども。そこは、もともと『ロクシタン』の創業者と一緒に仕事をした方々が始めたブランドで、どちらかというとマニアックで地道。
その片割れが『ロクシタン』に行って大きくなっていって、『フローラム』さんはずっと地道に続けていたみたいなところなんです。
オーガニックコスメの香りも魅力のひとつ。
林田さん:
オーガニックコスメって、香りがいいじゃないですか。
リアルコスメ編集長:
いいですよね!
林田さん:
(前職では)無香料・無着色でずっと作っていたから、香りの豊かさや効果がこれまでの自分の発想の中になかったな、と思って。
その頃、日本にも精油はあったけれど、どちらかというと合成香料の化粧品が多くて・・・合成香料の香りが私は苦手だったんです。
でも、精油は複雑だから嫌な感じがしなくて。
リアルコスメ編集長:
その頃、アロマテラピーとかは、もう日本で広まっていたんですか?
林田さん:
『アロマテラピー検定』もあって、広まっていました。
ただ、アロマというとどっちかというとお部屋に炊くもので、化粧品とアロマはまだ結びついていなかったんです。
やっとロクシタンさんが出てきて、ハンドクリームとアロマがくっ付き始めたぐらいの段階でした。
でも、海外製品は、ちゃんとアロマの精油濃度もそこそこ一定入れて、効果を出すためにアロマをスキンケアに使っているという話で・・・これはチャレンジしてみたいな、と思いました!
開発がスタート。
最初にぶち当たった壁は、「香り」と「テクスチャー」。
林田さん:
当時、精油のブレンドの技術がまだ日本もそんなになくて。
2008年、2009年ぐらいからオーガニックコスメが幾つか出たんです。ただ、香りをかいでも、ちょっと物足りない。
おそらく、ブレンドにちょっと深みがなくて、自分の深いところに入ってこない感じがあって・・・
でも、海外のオーガニックコスメで好きなものは本当に香りのトリコになって、離せなくなるようなものがあるんです。
リアルコスメ編集長:
林田さんも、ご自身で最初にオーガニックコスメを作られた時は、香りに物足りなさを感じましたか?
林田さん:
そうですね。2007年に、日本で初めて化粧品のオーガニック認定を取った工場が横浜にあるんです。
そこの工場と一緒に作り始めたんですけれども、最初は試作品が上がってくるたびに臭いんです。アルコール臭かったり。
あと、発酵を入れると、今度は”ぬかみそ”臭くなるような・・・。
リアルコスメ編集長:
そうなんですね!想像できないです。オーガニックコスメは、最初からアロマの良い香りのイメージしかなくて・・・
林田さん:
結局、日本にはハーバリストもいなかったから、ケミカルの化粧品を作っている方々が一生懸命オーガニックを作り始めたのが2007年なんです。
そこがスタートラインだから、みんな実験室みたいな感じで。
それから、分離もする。塗るとテクスチャーが悪い。
実際、HANAオーガニックがデビューできたのが2011年なので、そこから3~4年かかりましたね。
リアルコスメ編集長:
その後、どのように改良されていったのでしょうか?
林田さん:
まず、香りです。それから、テクスチャーをとにかくモニターをして、フィードバックして、メーカーさんのほうには海外のいいブランドがあればそのブランドを送ってあげて。
海外製品を送ってあげると、その製品に使われている原料を海外の商社から取り寄せたりとかして。
―このように、まだまだ日本では未知の領域だったオーガニックコスメの開発をスタートし、商品化に向けて様々な改良を重ねていった林田さん。
第二話では、HANAオーガニックの核とも言えるブルガリア産 ダマスクローズとの出会いについてお伺いしました。
※透明感:うるおいによる
※くすみ:乾燥による肌印象
※エイジングケア:年齢応じたケア
※シワ改善:シワ改善有効成分による