〔ブランドインタビュー 〕―HANAオーガニック― 第四話:次に作った『ウェアルーUV』が、最難関のプロダクトに。

国産オーガニックコスメの先駆者とも言える「HANAオーガニック」
今回は、福岡県にある本社にお伺いしました。
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緑いっぱいの素敵なオフィスでした。

インタビューさせていただいたのは、HANAのオーガニック代表・ホリスティック美容家の林田七恵さん。
プライベートでは、1児の母としての顔もお持ちです。hana5

林田さん×リアルコスメ編集長のリアルなインタビュー内容を、記事にしていきます。DSC_0053

―前回の記事『〔ブランドインタビュー 〕―HANAオーガニック―  第三話:最初に作ったのは、1本でケアが完結する「乳液」。』でお伝えした最初の商品『ムーンナイトミルク』の次に開発を始めたのが、クレンジング、洗顔料、UVケアの3商品。
ですが、UVケアは最難関アイテムで、発売までに3年もかかったそうです。DSC_0180

ウェアルーUV

※美白:メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐこと
※透明感:うるおいによる
※くすみ:乾燥による肌印象
※エイジングケア:年齢応じたケア
※シワ改善:シワ改善有効成分による

ウェアルーUVは、3年掛かりの最難関アイテムに・・!

リアルコスメ編集長:
ムーンナイトミルクの次に作られたのが・・・

林田さん:
確か、次が洗顔、クレンジングだったと思います。もともと、洗顔とUVをどうしても私は作りたかったんですけれども。

リアルコスメ編集長:
皮膚を紫外線から守るということ?

林田さん:
そうなんです。ところが、この人(ウェアルーUV)は、(クレンジング・洗顔料と)一緒に開発してしまったんです。一緒に開発を始めたから、クレンジング・洗顔料と同時に出すはずだったのが、3年間出せなかったんです。

1年目は、結局ぎりぎりで分離して。
2年目は、分離をやめてしまったら、また原料を変えなきゃいけなくて、原料を変えると今度は白っぽさが残る。
3年目に、200回以上試作して、やっと。

 

ウェアルーUVの開発が難しかったポイントは?

DSC_0227リアルコスメ編集長:
そうなんですね。林田さんは前職のメーカーでもUVアイテムを作られていたと聞いたので、正直、簡単なのかなと。一番、製品化しやすいのかな、と思ったんですけれども。
どこが一番難しかったんでしょうか?

林田さん:
伸びです。こうやって塗ると、すーっと伸びるじゃないですか。最初のころの原料は、これがなかった。べたーっと塗る感じでした。今でもですね。
結局、どこまで粉を減らせるかが勝負だったんです。なので、紫外線カット作用ならハーブを入れて、なるべく粉を入れないようにしてSPFを出したんですよね。だから、粉の量がすごく少ないです。

リアルコスメ編集長:
粉が少ないと浮かない?

林田さん:
浮かないです。これはピンクだから、ちょっと私は、そもそも色が合っていないですけれども。
こちらがイエローです。するするするっと伸びて。やっぱり粉の量です。
実際に、あまり粉が見えないでしょう。このレベルにするのがなかなかできなかったんです。粉はほとんど入っていないけれども、やっぱり黄味が消えるんです。
これが、透明はまだクリアできていないんです。

 

実は、“無色透明”が一番難しい!

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―こちらから見て左側が、無色透明のUVケアを塗った後。UVケア自体は無色透明なのに、塗ると白浮きしているようにも見えます。

林田さん:
皆さん、無色が欲しいと言うんです。色が付いているのが嫌だから。

リアルコスメ編集長:
そうですね。透明が一番簡単だと思っていました。

林田さん:
5年やっていますけれども、まだ行き着いていない。結局、どうなるかというと、こうなるわけです。
今、これに色は付いているから肌になじんでくれているけれども。これ、懐かしいでしょう。

リアルコスメ編集長:
そういうことか・・・!白くなっちゃうわけですね。

 

すべて“ナノ化”=肌に良い、というわけではない。

林田さん:
昔、小学生の時とか、私たちはこんな感じの日焼け止めだったんです。青白くなる。
なぜケミカルは、この色にならないかというと、ナノ化しているんです。この原料をナノ化すれば、こんな白くはならないんです。
ただ、ナノ化するとどうしても肌の中に入っていっちゃうんです。本当に1ミリの1,000分の1ですから、肌の中に鉱物が入っていくんです。それが炎症のもとになっている方が多くて。
オーガニックの場合、肌が敏感な方が多いからナノを使わない。ところが、正直、オーガニックとうたっているコスメメーカーさんもほとんど(ナノ化したものを)使っています。

リアルコスメ編集長:
そうなんですね・・・!

林田さん:
さすがに、あの状態だとみんな使ってくれないから。
だけど、うちはナノを禁止しているので、いまだに無色透明のUVを出せていないんです。IMG_5971 (1)

リアルコスメ編集長:
なるほど。オーガニックの成分だとナノにしたら余計肌にいいのかな、という感覚はあるんですけれども。そんなこともないんですね。

林田さん:
はい。結局、「酸化チタン」って鉱物だから、要は石やチョークみたいなものなんです。肌の上に乗っかって、紫外線を反射してくれている分にはいいですけれども、体の中に入った瞬間に異物なので、免疫反応が始まっちゃうんです。
免疫反応を起こしてしまうと結局は炎症につながるので、“微弱炎症”というのを肌の中につくってしまうから・・・。

ただ、紫外線を浴びるのと酸化チタンの炎症とどっちがいいかといったら、紫外線を浴びるほうがよっぽど悪いから、塗らないよりは塗ったほうがいいです。

リアルコスメ編集長:
なるほど!無色透明のUVは、いつごろ完成予定なのでしょうか?

林田さん:
まだ、この状態(白浮きする)です。解決しないんだよね。もう6年目です。

リアルコスメ編集長:
そうなんですね。やはり、一番難しいのは無色透明のUVでしょうか?

林田さん:
ですね。私もケミカルのときは、本当この3分の1ぐらいの苦労で、十分できたはずだから。
次に難しかったのは美白。これもぎりぎりまでどうだったか分かんなかったので。手がかかる子です!

 

使い心地の良い軽さとオフのしやすさがポイント。

IMG_6036林田さん:あと、今私はPRをやっているから、いろんな雑誌社の編集の方と会うんですけれども、いわゆるベストコスメとかの企画をする美容ライターさんたちが、みんなファンデーションを30個とか試すでしょう。
徹夜で全部試した後最後に全部落として、30種類ぐらいを塗った後に肌も疲れ切って、でもすっぴんで帰れないよね・・・といったときに、「HANAオーガニックのUVを手に取った」とおっしゃってくださって。この軽さと肌が気持ちいいと。

息をしている感があると、皆さんおっしゃってくださるのがうれしいですね。なので、ユーザーからの人気も高いですよね。

リアルコスメ編集長:
そうですよね。なかなかここまでこだわっているUVケアはないと私も思います。
『リアルコスメ』でも今年の春に、日焼け止めを30個ほど試したんです。スタッフと一緒に1日かけて。腕も使って、やったんですけれども、手の感覚がおかしくなってきちゃって。こんなのを毎日塗っているんだね、と。怖くなって。

林田さん:
角質層って本当はサランラップ15枚ぐらいしかない厚みだから、30回も落としたらそれだけでだいぶ傷んでいるでしょう。

リアルコスメ編集長:
そうですよね・・・!

 

―UVケアの色味や使用感×肌への優しさを両立する難しさが、お話を聞くほどに伝わってきました。
それと同時に、「自分たちが納得するものになるまで販売しない」というHANAオーガニックのスキンケアに対するまっすぐな理念にも魅了されます。

次回の記事では、界面活性剤を使わない天然クレイの洗顔料『ピュアリクレイ』についてお伺いします。

 

▷HANAオーガニック公式サイト

※美白:メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐこと
※透明感:うるおいによる
※くすみ:乾燥による肌印象
※エイジングケア:年齢応じたケア
※シワ改善:シワ改善有効成分による

 

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