ブルガリアの農園のローズは、どのように収穫されているの?

リアルコスメ編集長:
ローズウォーター自体、本当に価値が高いんですね。

林田さん:
価値が高いです。だから、毎年1年分を仕入れなきゃいけないんです。1年に1回しか採りません。

リアルコスメ編集長:
時期としては、大体、何月ぐらいですか?

林田さん:
5月の最終週と、6月の第1週が収穫時期なんです。梅雨は、日本と違ってないので、普通に暑くなってくる時期です。

バス3台分ぐらいのジプシーが全国から集められて、みんなで次々に採っていくんです。
ジプシーの方々は、採り終わると今度はラベンダー畑に移動して、採り終わると今度フランスに移動して・・・色々なところでずっと収穫をしていきます。

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その貴重なローズウォーターの原液を、実際に見せていただきました。

―「ローズウォーターを冷蔵庫から持ってきてもらっていいですか?」 と、林田さんがスタッフの方にお声がけくださり、ローズウォーターの原液を見せていただきました。

 

林田さん:
これがローズウォーターの原液です。年代別にちょっと嗅いでみてください。まず、エニオボンチェフ社の「2013」。

リアルコスメ編集長:
・・・感動です!
これって保存しておけるものなんですか?

林田さん:
精油を取らないと腐っちゃうんですけれど、精油が残っていると腐らないんですよね。抗菌力です。

リアルコスメ編集長:
それが防腐剤みたいな役割ということですね。すごい!
香りは、変わらないんですか?

林田さん:
香りもそんなに変わりません。精油の含量が多いと、安定するみたいで。
100年前のローズウォーターの香りを私は嗅いだんですけれども、お水があがっているから、ほんの少し瓶に残っているだけなのに、香るんです。

リアルコスメ編集長:
100年前?そんなに古いものも、香りが残っているなんて・・・!IMG_5961

リアルコスメ編集長:
13、14、15、16年。これと同じものが、HANAオーガニックの製品に使われているんですか?

林田さん:
使われています。水を使っていないから、この中に80%から90%入っていますよ。

リアルコスメ編集長:
すごく贅沢ですね!

林田さん:
贅沢ですよね。
結局、お化粧品って、水と油を混ぜているドレッシングみたいなものなので。水を良くするのが一番いいんです。

 

毎年変わるのは、香りだけでなく、成分も。

林田さん:
天候によって香りも全然違うんですけれども、実は、成分も変わるんです。

リアルコスメ編集長:
成分も変わるんですか?信じられない、同じローズなのに!

 

各年のローズの香りを試してみました!

林田さん:
同じローズで、同じ場所で採れたものなのにね。
ちょっとこれを嗅いでみてください。2013年です。濃いでしょう。

リアルコスメ編集長:
濃厚、すごい・・・!重さもありますね。

林田さん:
重たいですね。ちょっとマンゴーを感じる香りがしません?

リアルコスメ編集長:
今年(2016年)のローズウォーターヌーボーにもそう書いてありましたよね。マンゴーの香り。

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林田さん:
そうですね。今年のと少し似ているところがあります。果実味がありますよね。
これが、2013年と14年が実は、一番違ったんです。一番遠いというか。

リアルコスメ編集長:
(2014年を嗅いでみて・・・)軽い!

林田さん:
軽いでしょう。不思議。
これが、2015年。

リアルコスメ編集長:
何か、ちょっとすっきりな感じですね。中間ぐらいの。

林田さん:
正解です。本当、そのまんま。バランスが良かった年です。

 

2016年、最新のローズはどうだった?

林田さん:
そして、これが2016年、今年のものです。できたて。ちょうどバランスが良かった気がするんです。

『テルペノイド』という、違う第3の成分が入ってきていて、同じく抗炎症作用が高いものなんですけれども。
香りは、『リナロール』よりすっきりしていて、『シトロネロール』よりはそこまですっきりしない。ちょうど中間ぐらいの香りなんです。

リアルコスメ編集長:
『テルペノイド』という成分は、どういう作用があるんでしょうか?

林田さん:
『テルペノイド』は、基本的には抗炎症作用が強いです。
『リナロール』は、どっちかというとリラックス作用。『シトロネロール』は、鎮静作用です。

#実際に試してわかった!近年の香りまとめ

・2013年・・・濃厚で、重たい香り。マンゴーのような果実の香りも少し感じる。
・2014年・・・2013年とは正反対の軽い、さっぱりとした香り。
・2015年・・・すっきりとした、バランスの良い香り。
・2016年・・・2015年より果実味を感じる、バランスの良い香り。

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気温に加えて、雨の量も関係している。

リアルコスメ編集長:
成分が多くなるのには、何か理由があるんですか?天候とかでしょうか?

林田さん:
一番大きいのは天候ですね。実は、2013年は、すごく暖かい年だったんです。なので、果実味が増すんです。
同じ果物でも、暖かいところで採れると甘くなって、寒いところで採ると酸っぱくなるんですけれども。それと同じで、甘みの成分です。

2014年は、とても雨が多くて、2015年も、ちょっと収穫期に雨が降っちゃったんです。

2016年は、天候がすごく良かったのに、収穫のまさにその瞬間に長雨が続いて、収穫量が減ってしまったので・・・3週間かけて採ったんです。だからちょっとまた違う成分が入ってきているという印象がありますね。

リアルコスメ編集長:
なるほど!天候だけで考えると、濃厚なものはすごくいい出来なのかな、という感じがします。

 

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