2013〜2016年までのローズウォーターの香りを試してみて・・・

林田さん：
どれが好きでした？

リアルコスメ編集長：
私は結構、この濃厚なもの（2013年）が好きです。今年（2016年）のは、種類自体が一番違いますよね。
何と表現したらいいか分からないんですけれども、確かにマンゴーと言われれば・・・。

林田さん：
これが、分析した表なんです。
2013年は、ここだけ『リナロール』という、マンゴー的な甘い香りがあって。

14年は、さっぱりした『シトロネロール』がここだけあるんです。
おっしゃったみたいに、15年はちょうど半々だから・・・

リアルコスメ編集長：
本当ですね！

林田さん：
ね！

毎年違う、自然のままのローズを楽しむこと。

リアルコスメ編集長：
どれが、林田さんの一番求めているローズウォーターなんですか？

林田さん：
私は、成分ではないです。自然のまんま。

結局、ローズのすごさって、全部分解していくと500種類もあるんです。それがすごいから、この違いは正直楽しむべきものであって。

これがいわゆる一般に出回っているものを商社から取り寄せたんですけれども、『エタノール』が半分入っちゃっているものとかもあるんですよね・・・

リアルコスメ編集長：
『エタノール』が入るというのは、人が入れているということですか？

林田さん：
そうそう。原料として。腐らないようにとか、いろんな意味で配合しているものが多く出回っているので。

リアルコスメ編集長：
一方で、HANAのものは精油があるから・・・

林田さん：
多いから腐らないんですよ。そのままで使えているという。

リアルコスメ編集長：
実際、同じローズウォーターでも全然違うものなんですね。

 

オーガニックコスメは、農作物と同じ。

リアルコスメ編集長：
来年のローズウォーターも楽しみですね。

林田さん：
毎年楽しみです！でも、収穫量が、実は2015年と2016年は、ここ30年以来の不作で。半分しかローズが採れなかったんです。
世界中でローズ競合になっていて。普通であれば、農作物だから今のレタスとかと同じで、原料原価が倍になったんです。

けれども、うちはエニオボンチェフ社さんとずっと提携しているので、うちに対しては原価を上げないでくださったので、価格に反映しなくて済んだんです。

リアルコスメ編集長：
それは、良かったです！毎年、同じ値段で販売されるんですよね？

林田さん：
そうなんです。お客さんは化粧品と思って使っているから。全然、化粧品じゃなくて農作物なんです。博打みたいな（笑）。度胸みたいなものです。

やっぱりオーガニックコスメを作る一番の苦労は、原料が農業と一緒なので大量生産できないし、天候でも変わるし・・・

あと、すごく分かりやすくいうと、原料が高いです。前職のときの化粧品の原価の倍はかかっています。

リアルコスメ編集長：
ローズを日本で作るのは・・・？

林田さん：
ローズは、鹿児島でつくっているところはあるんです。
ただ、世界中でつくっているんだけれども、ブルガリアのローズがなんでシェア7割になるかというと、他のと違って香りが全然出ないんです。気候でしょうね。不思議ですよね。

ローズは、実は中世の時代には、男性が用いていたんです。
ローズオイルが何で1グラム1万円するかというと、ローズオイルを貴族たちが全員奪い合ったんです。天然の「バイアグラ」なんですよ。男性が嗅ぐと男性ホルモンが活発になるんです。

リアルコスメ編集長：
でも、女性ホルモンにも作用はありますよね？

林田さん：
そう。結局、性ホルモンを活発にするから、男性でいえば男性ホルモン。その人の持つ性ホルモンを高めてくれるので。

リアルコスメ編集長：
それが、今では化粧品への使用が主流なんですね。アロマオイルなど。

林田さん：
そうです。ローズは、アロマオイルと化粧品が主流ですね。

最近は、少し中国の方もワインと一緒で、アロマが好きになったみたいで。ブルガリアに行くと、中国の方が現金を持って買い付ける。原料を爆買いしています。

リアルコスメ編集長：
ちゃんとキープしておかないと、いつの間にかなくなってしまう？

林田さん：
そうそう。そんな感じ（笑）

 

―ブルガリアのダマスクローズ。自然の恵みだからこそ、天候や時期によって毎年の出来は様々。
一方で、毎年違うからこそ、その年のダマスクローズを楽しめることも一つの魅力だと感じました。

第三話ではいよいよ、HANAオーガニックから最初に誕生したアイテム『ムーンナイトミルク』についてお伺いします。

 

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